『くろちゃん日和32~その日のその後~』



前回からの続きです


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ということで、和がインターミドルで優勝した日
阿知賀女子学院麻雀部が復活に向けて動き始めた日をテーマにした4部作、これで完結です。
表紙込みで全部で72ページになりました。

前回と今回にかけて、改めてふれてみたかったのは
「玄はなぜ宥姉と灼にクラブに入ろうと声をかけなかったのか」
そして「クラブの時にはしなかった誘いを、なぜこの時にはできたのか」という点です。



このうち灼については、もう3年以上前になりますが
コラム8にて、いろいろと考えてみたことがあります。
地理的・時間的・そして心理的な、3つのブランクが2人の間にあったのだろうということ

現時点ではまだ確証はありませんが、吉野山(吉野町)に住む玄と
原作での背景描写から、吉野町の隣の大淀町でボウリング場を営んでいると思われる灼とでは
住む町が違うため、通った小学校も違った可能性が高いです。

本編において有珠山の回想でも出てきたように、そして穏乃と憧もまたそうであったように
やはり子どもにとって、生活の基盤となる学校が違うというブランクは相当に大きいはずだと思います。
そこへさらに、阿知賀編の第2局で触れられた、灼の赤土さんへのわだかまりなども相まって、現在に至った
といったところだったのでしょうか。



そして、宥姉。「本当はクラブに行きたかったけど、言えなかった」ということは、
灼と同じく、阿知賀編第2局にて本人が話しているとおりですが
玄は玄で「おねーちゃんも一緒に来ない?」とはおそらく言わなかった。
言えば行くにせよ、やっぱりしり込みしてしまうにせよ、何らかのリアクションが当時あったはずですから。

玄が誘わなかった理由…それは十中八九、宥姉の寒がり体質、外に出たがらない気質を
慮ってのことだったのではないかと思うのですが…
でも、そうだとすると、ひっかかってしまうのは、寒がり体質は現在も継続中なので、
これが理由でクラブに誘えなかったのだとすると、いくら部員が必要だとは言っても、
麻雀部への勧誘の際にも同様のことが気にかかるのが自然じゃないかと思うんですよね。
「おねーちゃんを誘ってしまってもいいのかな」…って。


そんなわけで、私なりに「こんなのもありかな?」と思って、
前回から引き続きの今回の話を作ってみました。
誘ってもいいのか、姉とは別の意味で声をかけづらかった気持ちを払拭してくれる
「お姉さんなら大丈夫だよ!」とたきつけてくれる第三者がもしいたらならば、
「本当はおねーちゃんも一緒ならよかった。だからすごく嬉しい!」と
一気に気持ちが高まっちゃうかも?なんて。

  第2局冒頭、玄が穏乃と憧を姉のもとへ連れて行くとき、
「ふふふ」と得意げに笑っている。
その表情へ何とかつながるように、話を組んでみたつもりです。



 
そして、自分たちが知り合いとの間に距離、疎遠を感じた時期があるからこそ
これから離れていくかもしれない後輩たちを見過ごせない

それが阿知賀こども麻雀クラブ改め、「阿知賀こども応援団」の始まりだった
…というのも、アリかな?なんて。

  この後、綾ちゃんは阿知賀の中等部へ。
よし子ちゃんは憧と入れ替わりで阿太峯中へ進んでいきます。
穏乃と憧がそうだったように、全く会わない関係になることも十分ありえました。
でも、少なくとも、現在のインターハイにおいては
同じ場所に集まって、一緒に応援して、一緒に興奮している姿を見ることができます。

応援するということだけじゃない。これもまた、先輩たちがくれた機会、なんですね。




ところで、あくまでこの二次創作シリーズにおいてのことですが
で描いたように、灼と宥姉も、それぞれ和とわずかばかりですが面識があることにしています。
(実際には、実写版で灼が言ったように、会ったことがないというのが自然だと思いますが)
そして、で描いて、今回もちょっと出てきたように、
松実姉妹と阿知賀っ子3人は大人になった慕ちゃんと一度だけ会ったことがあることにしています。

慕ちゃん・松実姉妹と卓を囲んで
「手加減しようなんて思えないくらい楽しい!」勢いでかかってこられたら…
そりゃあ、綾・桜子・ひなの3人ではひとたまりもなかったでしょうね(笑)



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