『くろちゃん日和J〜いつか歩いたその道〜』



 『のどっちの道』

言うまでもないですが、仮称です。
おそらく正式な名前はないと思います。
坂の下に小さな祠や道しるべがあるところを見ると、
昔は何かに利用されていたところだったのかもしれませんけど。
少なくとも阿知賀編1話に出てきた蔵王堂や銅の鳥居近辺に比べれば
およそ何もない、草の生い茂った道です。

しかし、この道が、阿知賀編のさきがけにあたる「高遠原」(9巻収録)において
吉野山の風景としてまず使われた場所なのです。
 ※購入特典も含めると、5巻の特典として描かれた
  「奈良にいたころの和」の方が先ですが

私が初めて参加した吉野山イベント(コラム寄り道)にて
「なんで和はこんな歩きにくい道を通ってたんだ?」と最も印象に残った場所でした。
他にも道はあるだろうに、あえてこんな坂道を選んで登った和の思い
実際に現地を訪れ、体感することで気付くこともあるのだなということを教えてくれた道です。






和(ひとりで歩くことに慣れてきた、中学生になった春)





(進学とか…クラス替え…転校…みんな少しずつ別れていく…)


(こんな気持ちになるのなら…はじめから…)






〜それからさらに月日が経ち、翌年の3月〜



桜子・ひな「のどちゃー!」だきっ
和「なっ、ななな、なんなんですかっ」
玄「これはこれは…おもちのモノがよりいっそう素敵な感じに!」フフフ
和「止める人いないんですかーっ!!」







桜子「はふーっ」
ひな「堪能しましたー」


 ※この桜子とひなが和に飛びつく場面
  「止める人いない」ってことは玄ちゃんはおろか、綾ちゃんも止めてないんですよね。
 この後、和に出してもらったお菓子(マカロン)を指して
 「胸にだけ脂肪がつく特別な何かだ」と言ってるところを見ても
 大きなおもちに内心興味はあるんだろうなーと思います。

 ちなみに吉野周辺でマカロンと言うと
 六田駅近辺にある「ラ・ペッシュ」というお菓子屋さんがおいしいのだそうですよ。
 もっとも胸にだけ脂肪がつくわけではもちろんないのであしからず(笑)









和(またいつか春めくように―)







会えなくても、離れていても、変わらないですよね、私たち―








ということで、今回は「高遠原」と「阿知賀編番外編」の
2つをつなげるようなことをイメージして描いてみました。
離れる寂しさを味わうくらいなら、はじめから友だちなんていない方が…。
「高遠原」冒頭において、ネット麻雀に向かいながら、
そのような心境が読み取れる和ですが
「阿知賀編番外編」のラストにおいては、
結局穏乃や憧と顔を合わせることはできなかったけれど
またいつかみんなが集まって、楽しいことがあるという玄の願いに、
淡く微笑みながら同意してくれる姿を見ることができます。 


ただ、私が気になってしょうがないのは
番外編での再会もつかの間、
このわずか1ヶ月後に、和は長野へと転校していってしまいます。
「またみんなで集まることがあるかも」は、
和が阿知賀にいる間には、ついに叶えられませんでした。

もちろん転校した先では、再び仲間といる楽しさを思い出させてくれる
出会いが待っているのですが
果たしてどのような気持ちを抱えて、和は去っていったのか。
去るにあたって、玄たちは見送ってくれたのか。
番外編は私の大好きなエピソードなのですが
そのへん「どうなのよ?」と疑問がわく部分でもあります。

これについて、本編において
はたして描かれる機会があるのかどうかはわかりませんが…
個人的には「和が去るまでの1ヶ月の間にこんなことがあったかも」的な
そんなエピソードもいずれ想像して描いてみたいな、などと思っています。


ビッグガンガン掲載時の扉ページ
4枚目の絵と最後の文は
ここから参考&引用しました



ところでこの番外編、これもBD付録の特別編同様、3月の出来事なんですよね。
読んだ当時はその意識はありませんでしたが
玄ちゃんの誕生日が3月15日であることがわかった今にして改めて振り返ってみると
子どもたちや和に会えたのは、玄ちゃんにとってまるで誕生日プレゼントのように思えたのかもしれませんね。
だから穏乃や憧には会えなかったけれど、あんなに喜んでいたのかなぁとふと思いました。



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