『くろちゃん日和H〜あこがれを身につけて〜』



下市町立阿知賀小学校 校歌〜  

 1.いわうつひびき よしのがわ   
   きよきながれを みおろして
   あさひてる おかに まなびにまなび
   ああ うつくしき しもいちあちが  
   われらのあちが あちがしょうがっこう


 2.くもにそびゆる おおみねさん  
   たかきすがたを あおぎみて
   こころすなおに はげみにはげむ
   ああ うつくしき しもいちあちが  
   われらのあちが あちがしょうがっこう


 3.あさゆうしたしむ やまとかわ  
   きょうもなかよく げんきよく
   やりぬく むとせ たのしき つきひ
   ああ うつくしき しもいちあちが
   われらのあちが あちがしょうがっこう







『下市町立阿知賀小学校』


その名の通り、下市町阿知賀に実在した小学校であり、
阿知賀女子学院のモデルになっていると考えられる学校です。

阿知賀という地域は、近鉄線を基準に考えると、
吉野山のある吉野駅からは、吉野神宮-大和上市-六田-越部-下市口と続き、
この越部駅と下市口駅のちょうど中間あたりに位置するのが阿知賀地区です。
したがって、大阪阿部野橋方面からの最寄は下市口(特急の停車駅でもある)ですし
吉野からだと越部になります。
実際、作中で下校途中と思われる和や灼が、この阿知賀小学校のある場所から
越部駅に向かって歩いていると思われる背景画もあります。

2011年に同じ下市町の下市小学校と統合する形で閉校ということになってしまいましたが
それまでに創立より137年という、長い歴史を誇る学校だったそうです。
私の父もこの阿知賀小学校の卒業生です。
(もちろん父が在籍した当時とは校舎が違いますけどね)

子どもの頃、帰省した時には(今は住宅地に造成されている)空き地で
兄とキャッチボールをしながら、高台に建つ校舎を見上げていた思い出があります。
今でも吉野行きの電車に乗るたび、下市口〜越部の区間で吉野川を越えた向こうに
この校舎の姿を見つけては、「ああ、阿知賀だな」という気持ちが頭をよぎります。
閉校した今でもなお、阿知賀のシンボルとしてこれに勝るものは多分ないんじゃないでしょうか。



番外編「高遠原」より
越部駅方面へ歩く和













あの頃見ていた先輩たちと、同じ制服に身を包む。
気がつけば、あの頃のみんなと同じか、年上になっていた、今の私。
背も伸びて、みんなに届くか、追い越すくらいになったけれど・・・
追いついたのは背だけなのかな。
あの頃のお姉ちゃんたちのように、私、なれているのかな。










かつて、ずっとお兄ちゃん・お姉ちゃんだと思っていた人が、ふと振り返ってみると今の自分と同じあるいは年下だった。
それを思うと、成長やら時の流れやら、いろんな気持ちが胸中を去来する時もあります。

現在阿知賀女子中1の志崎綾ちゃんは阿知賀編1話当時の玄ちゃんと同い年。当然穏乃たち(小6)より上。
身長(151cm)も、現時点の玄(152cm)・和(154cm)にほぼ追いつき、穏乃(139cm)・憧(149cm)は既に抜いています。
でも、先輩に近づくだけならまだしも、抜いてしまいそう、あるいは抜いてしまったというのは必ずしも嬉しいとは限らないんですよね。
咲-Saki-シリーズなら、たとえば新道寺の姫子がそうでしょうし(※中学→高校の間に哩さんよりも背が高くなったという設定)
私自身、学生の頃に兄の身長を抜いてしまった時には、正直微妙な心境の方が先でした。
まあ、そんなことで関係が揺らぐわけではないんですけど、
そのへんの、綾ちゃんもひょっとしたら抱えているかもしれない気持ちも表現できればと思って、今回描いてみました。


前の話へ  次の話へ くろちゃん日和へ  最初に戻る
くろちゃん日和 旅の小箱