キャラクター及び作品紹介のページ その15

和泉結衣(いずみ ゆい)
(登場作品 PCゲーム「宵待姫」)

(以下ネルホームページ上のあらすじより)


主人公の和泉時雄は成り上がり華族の跡取り息子
幼い頃に拾われ、妹として育った結衣と共に、屋敷で暮らしていた。
母親は早くに亡くなり、父親は世界中を飛び回り家に寄りつかない。
そんな中で時雄と結衣は、本当の兄妹以上に仲良く、そして家族の絆を深めていた。


しかしある日、隠されていた屋敷の地下室で妖しい棺を見つけた時雄は、
結衣が止めるのも聞かず、好奇心から蓋を開けてしまう。

…果たして、中には何も入っていなかった。

がっかりする時雄と、ほっとする結衣。
ところが、この時から既に事件は始まっていたのである…


その夜、テラスで結衣の姿を見かけた時雄は、そこで信じられない光景を目にすることになる。
時雄の方に振り向いた結衣の目は紅く、紅く光っていた。
そして次の瞬間、結衣の髪は美しい金髪へと代わり、口元には鋭い犬歯が覗く。

「この身体はもはや妾のものじゃ」

吸血鬼エル…そう名乗った少女は妖しく微笑むと、時雄の血を吸い始める。
血を吸われるけだるさと共にしんじられないほどの快感を感じながら、
時雄の意識は遠のいていくのだった……


昼はしとやかで可愛い妹。夜は高貴で生意気な吸血姫。
二つの人格を持つ少女との生活は、この時から始まったのである。




はい久しぶり、パソコンゲームからの出展です。
以前のこのみもPC版がありますが、元はPS2のゲームですしね。


ブランド「ネル」から2004年11月26日に発売された「宵待姫」
大正時代を舞台にしたお話です。
前述のあらすじの通り、主人公兄妹が住んでいた屋敷には隠された地下室があり、
そこに安置されていた棺を開けると実は…!
一見空に見えたそこで眠っていた吸血姫・エルの魂が結衣の身体に取り付いてしまうと言うもの。

無論、兄は後悔し、知り合いにはこっぴどく怒られるわけですが
当の結衣自身はエルが目覚めている間は反対に眠ってしまっているため
自分に起こっている事態に全く気づかないわけですね。
しかしエルが体内にいる影響もあってか、何気ない日常の中でも
結衣はじわじわと様子を変えていく…


という感じの話です。
なんだかこう書くとホラーっぽいかもしれませんが、そうでもないです。
ていうか陰惨な話だったら私にはNGでして。
最後には解決に向けて一山ありますが、兄様大好きの結衣との会話は楽しいですし、
しょっぱなは怪物そのものの印象を主人公に与えたエルも付き合ってみると
そこまで酷い魔族でもなく。
与えられた状況が似ていても、状態が結衣かエルであるかで反応が違ったり
選択肢次第で、結衣とエルの姿がコロコロ変わったり。
そんな感じで二人で一人になってる少女との生活を楽しむゲームかな、と。

個人的には結衣が「今日もコロッケ明日もコロッケ♪」と歌ってる場面や、
(実際に大正時代に流行った歌だそうです)
ウイスキーボンボンを酒入りとは知らずに食べて泥酔してる場面なんかが特に好きですね。
(本人はそう言われるとむくれますが)いい意味でお子様です。
あと声もかわいらしい。こんな風に甘えられたら人生素敵だろうなぁ。
結衣の声を当てているのは木葉楓さんという方ですが、
聞くところによると、「ToHeart2」の小牧愛佳委員長もこの人なんだそうで。
なるほど、確かにおんなじ声かも。
他に出演してる声優さんたちも相当のベテランらしく、いい演技をされてます。
しっかし、これ、成人指定のゲームなもんで、そういうシーンが頻繁にあるわけですが…
大変ですね、こういう仕事も。


ところで、結衣の和服の模様ですが、
矢絣(やがすり)と言いまして、明治・大正当時に女学生がよく着ていたのだそうです。
でも、これ前のページのところにも書きましたけど、
見た目はごくごくシンプルな柄なのに…何これ!?何でこんなにめんどいの?線多っ!
それほど複雑なポーズを描いたわけじゃない(むしろシンプル)のに、随分苦労しました。
しかもゲーム中では、これを遥かに上回る、いかにも描くのに骨が折れそうな
花魁の艶やかな着物なんかも出てくるわけですよ。
よく描けるな〜と、ただこの一点とっただけでも平伏します。ホントに。

このホームページも始めて5年、色々なキャラクターを描いていますが、
その都度、プロの作家さんの凄さってのを思い知ります。
それにひきかえ、なんとまあ己のちっぽけなことよ。
相も変わらず3流にすらなれてない、今日この頃でございました。